ブロガーが語る「オリジナルTシャツ」
私が初めてオリジナルTシャツに袖を通したのは、高校三年生の文化祭当日でした。それまで進学校という事もあり「受験受験でまとまりのないクラス」というのが教員、生徒が共に持っている我々のクラスのイメージでした。そんなクラスにも文化祭の日は訪れます。クラスの出し物を決めるミーティングの時に誰が言ったのが「記念にオリジナルTシャツを作ろう」ということが決まりました。私は「金掛かるのか、なんか勿体ないな」と思いましたが、決まったことを蒸し返せばミーティングは長くなります。塾や勉強のスケジュールが詰まっているクラスメイトの顰蹙を買う恐れがあるので何も言えずに同意しました。「準備期間や手間を最小限にしたい」という、可愛げのない受験生的な意見で文化祭の出し物は「教室で喫茶店」という何とも在り来たりのものでした。私は男ですし不器用ですし当日の力仕事の担当になりました。今になって振り返れば「オリジナルTシャツ作りを担当しとけば良かったな」と思います。文化祭の出し物はといえば、散々たる結果でした。それもそのはずです。当日の担当者は、皆「文化祭当日以外拘束されたくない」という不純な動機で立候補した人たちでした。開店当初は物珍しさもあり順調な客入りでしたが、徐々に手際の悪さや料理の見た目の悪さが目立ち、一番の稼ぎ時である昼時には閑古鳥が鳴く始末でした。やる気のなかった面々でしたが、流石に閑古鳥の鳴く教室の雰囲気の悪さから「何故こんなことになったのか」「もっとうまいこと出来なかったのか」などと口々に言いだしました。黒地に「一致団結」と書かれたオリジナルTシャツを着るのがなんとも恥ずかしかった記憶があります。険悪な空気に耐えきれなかったのか文化祭実行委員の子が涙交じりに話し始めました。事の委細は失念しましたが、「とにかく今後なにかイベントがあったら一致団結しようね」ということでした。険悪な文化祭が終わってからというもの私たちはそれまでになかったような団結力のある明るいクラスになりました。今でも年に2回同窓会が有ります。夏の同窓会の時には、ところどころ繕った跡のあるオリジナルTシャツを着てくる者もいます。たまにショップに入った時に「オリジナルTシャツ作れます!」といった張り紙を見ると高校三年生の文化祭を思い出します。
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